色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

伊藤忠弥
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誠子さんの言うとおりです。
最初の読書会はやっぱりこれだったと、
後悔したので、追加させて下さい。
買わせるの悪いからと、慮ったのです。

色彩を持たないとは、ベートーベン的ハンディキャップのことかと思ってたら、全く違った。
さすが春樹さん、出だしのところから予想を超えてくる。
一方の舞台が名古屋であり、愛知出身の方には馴染み深い名前がいろいろ出てきます。

わたしは死と再生の物語と捉えました。
ただ、死と再生の物語としては完結していないので、続編が出そうな気がします。

文研時代を思い出した。
あまり深く付き合わなかった、
田内くんとか斉藤くんとか。

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わたしが面白いと思ったのは、
いきなり高校時代の友人から
関係性を絶たれた(、それも
何の理由も知らされず)つくる君が
恋人に促され、真実を知るために
友人たちに会いに行く。そのうちの
ひとり、シロはすでに死んでいる。
謎に包まれたシロの死が、実はとても
深くつくると関わっていたことの
知られざる秘密を知ってしまう。
死者は語らないから、クロの話から
つくるのなかで「真実」が生まれ、
シロに触れ、繋がっていく。
美しい時間がそこに流れてゆく。
青豆が、小学生だった天吾に
感じた「かっちり結ばれた」コアを
探し求めてその後を生きたように、
つくるもまた、そのコアを知ることから
始まるのではないかと思いました。
つくるの喪失は、真実を知ることで
しか埋めようがなかったし、そのことで
愛を知ることができたのだと。

ああ、もっと語りたいのだけど、
友人に本を貸してしまい、続きはまた。

なんと今夜、前川さんから電話があり、
「ヴェルディのレクイエムのチケットを
二枚予約したら、すでに完売だった」と。
みんなどこかで、回帰する時間を
求めているのかもしれません。
「読書会」ありがとう。

前川生きてたか、
誠子さんの前ではアオ?
でいたかったのかも。

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このページは、伊藤忠弥2013年6月 4日 19:32に書いたブログ記事です。

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